クリニック通信

第5回 止まらない咳

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咳はウイルスによる風邪の代表的な症状の一つですが、最近は咳止めが効かず、肺炎や気管支炎などはっきりとした異常がない、長期間続く咳に悩まされている方が増えています。このような咳は耳鼻咽喉科疾患やアレルギー性疾患などによって引き起こされる症状である場合があります。その場合は咳の性状や随伴する症状によって原因疾患を推測することが可能です。今回はそれらの疾患についてお話したいと思います。

痰のからまない乾いた咳で、のどが痒く、イガイガする場合は喉頭アレルギーが考えられます。アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などを持つアトピー素因の方の中には、のどにもアレルギー反応を起こす方がいます。多くの場合、咳の他にのどの違和感や閉塞感を伴います。喉頭アレルギーは花粉症の症状としてもみられますが、そうでない場合は他のアトピー素因と関連した疾患(咳喘息、アトピー咳嗽など)との鑑別が難しい場合があります。花粉症の季節に毎年咳が出る場合は喉頭アレルギーの可能性があります。痰のからんだ湿った咳の場合は後鼻漏(こうびろう)症候群が考えられます。後鼻漏とは鼻汁が鼻の後ろを通ってのどに流れ落ちる状態を言います。落ちた鼻汁がのどを刺激することで咳やのどの違和感を引き起こします。多くの場合は鼻汁がのどに流れる感じを伴いますが、自覚の無い場合もあります。後鼻漏の原因疾患としては、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が最も多く、その他にアレルギー性鼻炎や慢性鼻炎が挙げられます。これらの疾患には鼻汁や鼻づまりなどの症状を伴うことが多いですが、全く鼻の症状が無い場合もありますので注意が必要です。乾いた咳で、胸焼けやゲップなどを伴う場合は胃食道逆流症が考えられます。胃酸などの胃の内容物が食道に逆流し、咳の原因になります。胃の内容物が直接のどを刺激する場合はのどの違和感や声がれなどの症状を伴う事もあります。胃酸の産生をおさえる薬が有効であり、診断を兼ねて治療に用いる場合があります。

いずれの疾患も適切な治療により治癒可能であり、そのためには鼻やのどなどの診察や検査が必要です。頑固で長引く咳に対して、単に風邪を繰り返しているだけだろうと決めつけず、専門医に相談することをお勧めします。

今回は庭に咲いていたクリスマスローズを撮ってみました。

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